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2020年5月26日火曜日

ヒールスライドとは?運動中に痛みが出たら?



ヒールスライドは、リハビリにおける膝関節可動域訓練の一つ
名前の通り、かかと(ひーる)を滑らせる(すらいど)訓練
通常、膝の術後リハビリとして行われるが、術後でなくても膝可動域の低下を生じている症例では、ホームエクササイズとして指導しても良い


ヒールスライドの方法
長座位で、踵を床に滑らせるようにして、膝関節の最大伸展位、最大屈曲位を繰り返す、股関節は内外旋中間位で行う
膝の自動屈曲は可動域が130°程度なので、130°で痛みが無ければ、自身の手で脛骨を引き寄せて、膝屈曲角度を増すようにする

慣れてきたら、膝最大伸展時には下腿を外旋方向へ誘導し、屈曲時に内旋方向へ誘導するとよい



ヒールスライドで痛みが出ることがある
関節内に炎症が続いていると痛みが出るため、その場合は、関節を冷却してから実施すると良い
当然術後は痛みが出やすい
関節の炎症は、熱感や腫脹の有無である程度判断できる





2020年5月25日月曜日

膝OAに対するスクワットの注意点



立位のみで既に関節裂隙に痛みを生じる患者の場合は、通常スクワット運動は行わせない方が良い

GradeⅢ以上の患者では立位で関節裂隙が消失するケースもあり、荷重をかけての膝屈曲運動は症状を悪化させてしまうこともある
痛みの強い患者では、仰臥位で膝関節の荷重を除去した状態でアイソメトリックスから開始する


スクワット自体は、膝OAのリハビリでは多く取り入れられている運動である

理由は

スクワット動作自体が、前後左右の重心移動が少ない、垂直の上下運動で形成されていること
簡易で、患者自身も理解しやすい運動であること
下肢全体の筋力増強だけでなく協調運動も得られること

など、多くのメリットがあるからだろう


ただ、患者の中には独自の解釈で誤ったスクワット動作を行い、異常な運動パターンとして運動をしているケースも多い
これでは目的とする筋郡の筋力が得られないだけでなく、関節面へのストレスを増強させてしまうことにもつながりかねない
患者自身が正常な運動パターンを理解し、獲得できるまで根気良く指導していくことも、大事な仕事といえる


2020年5月24日日曜日

ACL損傷・変性に対するスクワット



スクワット動作は、体幹を前傾位にする事で膝屈筋郡にも影響を与える事が出来る

膝屈筋郡の筋活動量増加は前十字靭帯に補助作用的に働くことから、ACLの変性が疑われる脛骨前方引き出し陽性の患者に対して、体幹前傾スクワットは有効と言われている

2020年5月23日土曜日

スクワットの方法による負荷の違い





スクワットは主に、大体四頭筋、ハムストリングス、前脛骨筋などの筋力強化として行われる

方法は、両足部を肩幅に開いた状態で、膝を曲げてゆく
動作中に膝が趾先より前に出ないこと、体幹は床と垂直とし顔を正面に向けて行うことを指示する

患者に行う場合の注意点であるが、患者の中にはバランス能力が低下していることや、疼痛による膝の深い屈曲角度が難しい場合などがあることから、安全性を考慮して壁にもたれかかった状態でのスクワット、もしくは机に両手を置き荷重を軽減した状態でのスクワットから始めて、徐々に負荷をかけてゆくと良い


スクワットの負荷の違いであるが、数字が高くなるにつれて、負荷が高くなる

両手を机に置いたスクワット
壁にもたれかかってのスクワット
スプリットスクワット(片脚前方スクワット)
膝関節30°~60°位のスクワット
膝関節60°~90°位のスクワット



2020年5月22日金曜日

膝の柔軟性を高めよう



膝周囲には大腿四頭筋、ハムスト、腓腹筋など様々な筋肉が付着しており、立位や歩行などの動作に深く関与する

上記筋群の柔軟性が低下すると、関節可動域の制限により歩行動作などにも影響を与える
また、関節可動域制限は筋肉の働きの制限となり、筋力低下にもつながる


膝OAなどでは大腿四頭筋筋力強化だけを指導して終わりにしてしまうのでなく、各患者の筋肉の柔軟性、および筋収縮力の程度を知り、状態に合った筋力訓練やストレッチを行うことが重要である

柔軟性の低下は、伸筋群より屈筋群に生じやすいため、膝では特に屈筋群の柔軟性を高めたいところであるが、伸筋群を放置してよいかというとそうでもない

四頭筋などの柔軟性低下で股関節が屈曲位となると、代償性に膝の屈曲を伴うからである


膝周辺の筋群の柔軟性低下はいつの間にか進むため、気を付けてみていくことが大切といえる





2020年5月21日木曜日

膝OAで使用される装具



OAで使用される装具

装具の種類
装具の目的
外側楔状型足底板
内反膝の場合に使われる

足底外側部を高くしたインソールを挿入する事で疼痛の軽減を得る

外側楔状型では装着により脛骨軸が床に対して直立し、内側関節面の負荷を減少させる

歩行初期の動揺が抑制されることで、歩行初期の疼痛軽減が得られる

注意
変形が高度のOAでは効果はみられない
軟骨の磨耗や半月板損傷などが痛みの原因となっているものについても効果は少ない

支柱付サポーター
膝の両側面に支柱のあるサポーター

側方動揺の不安定性膝に有効

立脚相での膝屈曲時に、大腿骨の前方滑りを防止する

軽度から中等度の患者に適応

硬性装具
内側に二点、外側に一点の三点固定を行うことで、内反変形を矯正する

構成装具は患者負担が大きい

重症患者に適応

軟性装具
患者自身の安心感が高まる

保温作用があるため、寒さによる痛みの増悪がみられる場合に有効

加重負荷および安定性向上などは期待できない

軽症患者に適応

T字杖
膝関節への免荷

膝のさらなる変形予防

注意
健肢側有意の歩行をクセを付けてしまうと、健側までも膝OAを誘発させる













2020年5月20日水曜日

変形性膝関節症では歩行具を使ったほうが良い理由



変形性膝関節症の患者に歩行具の使用を進めると、多くの人が躊躇する反応をみせる

杖や手押し車といった歩行具を使用するに当たって、患者の心理にはいろいろあるようだが、膝関節の痛みが続いているのに、無理をして歩行をしていれば痛みが増加するばかりか、疼痛性跛行を生じることになる

跛行を長期間に渡ると、筋の左右バランスが崩れて、膝以外の場所に痛みが引き起こされる

医療従事者から「歩行具が必要」と、客観的な意見を受けたなら、従ったほうが患者自身のためになるだろう



患者の中からは
一度杖を使用してしまうと、一生手放せなくなるのでは?と心配される声が聞かれるが、症状の度合いが初期であれば、痛みが引くのと同時に、杖は自然と外せるようになる

痛みのある間は、歩行具だけでなく、さまざまな物を使って、膝にかかる負担を減らすべきである

階段昇降時に手すりを利用

正座から立位の際に机や床に手を付いて体重を支える

椅子からの立位時に肘掛や机を利用

など、日常生活でも様々なものを積極的に利用すると良い












2020年5月19日火曜日

膝OAのリスクファクター



変形性膝関節症のリスクファクターには次のものがあります
リスクファクター:特定の疾患にかかりやすい、形態や機能などの因子

大腿四頭筋筋力低下

脚長差が1cm以上で、発症・進行リスクは上昇

肥満

加齢(60 28%、70 55%、80 77%)

女性(男性44.6%、女性66.0%)

外傷の既往

膝の手術



2020年5月18日月曜日

膝OAの進行に伴う関節水腫




膝OAの進行に伴う関節水腫


前期
関節水腫は前期から初期に最も多く見られる症状で、腫れとともに、関節面の不安定感や痛みを伴う

初期
↑前期と同じ

進行期
進行期から末期にかけては、水がたまってもごく、少量で、逆に少量の水が引かない慢性の関節水症となりやすい

末期
↑進行期と同じ

2020年5月17日日曜日

膝OAの進行に伴うレントゲン変化



膝OAの進行に伴うレントゲン変化

前期
関節軟骨はレントゲン写真には写らないため、この時期にX線を撮っても特徴的変化は無い

初期
荷重の集中している軟骨下骨周辺部では、反応性の骨硬化像が見られ、関節への負担を軽減するため、皮質骨が増殖する骨棘や骨提が作られるようになる

関節裂隙の狭小化もこの時期に見られる特徴的な変化である

進行期
関節裂隙は更に減少し、骨棘や骨提などの骨変形も進行する
FTA角は増大し、X線写真でも典型的なOA変形が見られる

末期
関節裂隙は完全に消失し、大腿骨と脛骨が直接触れ合っている状態となる

荷重面の軟骨下骨の摩擦や欠損も写真にて観察する事が出来る



2020年5月16日土曜日

膝OAの進行に伴う痛みの変化



膝OAの進行に伴う痛みの変化

前期
体重をかけたときや歩行時、椅子に腰掛けるときや正座をするとき、階段の昇降時に痛みが出る

痛みはすぐに消える事が多い

また時々しか痛まない、安静にしていると痛みは出ないため、患者自身も深刻には考えずに、すぐに忘れてしまう事が多い

初期
関節面に何らかの負担をかけると必ず痛みが起こるようになる

活動と痛みの関係が次第にはっきりしてくる

進行期
普通に歩くだけでも痛みが生じ、安静にしていてもなかなか痛みが治まらない

日常生活に支障が出てくる

末期
痛みはなかなか引かず、歩行時に杖や手すりがないと困難となる

こうなると出歩く事が少なくなり、強烈な痛みは少ないが、膝が重いような感じや鈍い痛みは持続する





2020年5月15日金曜日

膝OAの進行に伴う軟骨変化



膝OAの進行に伴う軟骨変化

前期
関節軟骨は粘りと弾性に富、外力を分散・吸収する能力が優れているが、繰り返される外力により軟骨面が損傷し劣化する

軟骨面の劣化により関節面の弾力は失われ、本来の衝撃吸収が低下する

初期
関節面への更なる外力により、軟骨内部の線維が破壊され、少しずつ軟骨が磨り減ってゆく

関節軟骨の弾性が失われると、荷重を軟骨下骨に分散していた機能が崩れ、軟骨下骨の一箇所に荷重が集中する

軟骨下骨が厚く硬くなって行く(骨硬化)

進行期
軟骨は更に磨り減り、関節裂隙は狭くなる

関節の内側のみに荷重がかかる為、磨り減り、骨変形も生じる

外観からも関節の変形がわかるようになり、いわゆるO脚変形および屈曲変形が生じる

一度この変形が生じると、戻す事は出来ない

末期
軟骨は完全に磨り減り、軟骨下骨が露出するようになる

変形は強度となり、T字杖などの歩行補助具を使用しなければ、歩く際のバランスも取れなくなる















2020年5月14日木曜日

膝OAの進行度によるレントゲン変化、治療方法




膝OAの進行度によるレントゲン変化、治療方法


写真
分類
X線所見
治療方法

Gread
骨硬化像,また骨棘
骨嚢胞の形成
内服
外用剤
関節注射
物理療法
大腿四頭筋訓練
足底板



Gread
関節裂隙の狭小化
3mm以下)

Gread
関節裂隙の閉鎖
または亜脱臼
HTO
OAブレース

Gread
荷重面の摩耗または
欠損(5mm以下)
TKA

Gread
荷重面の摩耗または
欠損(5mm以上)






 























2020年5月13日水曜日

膝OAの進行度に対するリハビリ




OAの進行度に対するリハビリ

分類
リハビリ経過
前期
目立った所見は見られず、物理療法を行う事で痛みは軽減する
週1回のリハビリを1ヶ月程度続ければ、痛みは軽快する
初期
物理療法による血液循環促進と、大腿四頭筋筋力強化などで、痛みは軽減する
通常、1ヶ月ほどで外来リハは来なくなる
進行期
物理慮法、筋力強化訓練、ヒアルロン酸などを23ヶ月間続ける事で、痛みは軽快する
末期
痛み自体は何をしても取れなくなる
物療、筋力強化、ヒアルロン酸などは治療と言うより、進行を遅らせるために行われる
患者自身も、外来リハは疼痛緩和が目的となる



2020年5月12日火曜日

膝OAの進行度による器質的変化




 膝OAの進行度による器質的変化
分類
器質的変化
前期
大きな外力、もしくは軽微な外力が繰り返しかかる事で、軟骨変性が生じる
粘性、弾力性が次第に失われ、衝撃吸収能力は低下する
初期
軟骨の磨耗が始まる
軟骨の粘性、弾力性は失われ、局所への荷重が集中する
軟骨仮骨の骨硬化、骨棘などが形成される
進行期
軟骨の磨耗が進行し、関節裂隙の狭小化が生じる
骨棘などの骨変形も進行し、X線上にも典型的なOA所見が見られる
末期
軟骨は完全に磨耗し、軟骨仮骨が露出し、関節面の象牙質化が生じる
辺縁骨棘の形成、神経終末の露出により、運動時のコツコツ音や疼痛が生じる



2020年5月11日月曜日

膝OAでの日常生活動作の注意





OAにおいて、次の動作は関節面へのストレスの多い
体重心の移動速度が速い動作(階段昇降、床からの立ち座りなど)
移動量が大きい動作(かがみ動作、床からの立ち座りなど)



ただ、関節を動かさない長時間の立位保持や、荷重姿勢の保持などでも関節面にストレスを及ぼすので注意が必要
この場合のストレスは、体重がかかることによる圧縮ストレスである