2020年4月1日水曜日

腰痛は人間の宿命か?

腰痛は人間の宿命か?


人間は、2本足で歩行するようになってから、腰にかかる負担が増したといわれています
四足歩行のときは腰の骨が地面と水平でしたが、二足歩行をすることによって腰の骨は地面と垂直になりました
家でいえば梁の役割を担っていた柱が、突然、大黒柱の役割を担わされることになったのです
これでは腰に大きな負担がかかるのは当然のことです

歩き方の変化が、腰痛を引き起こす大きな原因となったことは確かなようですが
人間の場合はさらに、重労働作業、社会生活でのストレス、長寿による老化現象なども、腰痛を引き起こす原因になっています


このようにしてみると、腰痛は人間の宿命とも言えそうです
しかし、だからといって「腰痛になるのは仕方がないこと」と諦めてはいけません
腰痛の原因となっている、仕事環境、社会生活、日常生活といった問題は、ご自身の注意によって取り除くことができるものだからです


世界中の様々な研究のおかげで、最近では腰痛の予防法や治療法が急速に進んでいます
腰痛に苦しんでいる方は、「もう治らない」と諦めず、自らが積極的に勉強をして
腰痛を治す努力をすることで、ある程度の予防ができます



積極的な勉強の第一は、腰痛の原因を知ることです
原因が分かって初めて、対策がたてられるのでしょう




では、腰痛の原因には何があるのでしょうか?

腰痛の原因をみると、大きく5つに分けることができます
それぞれ腰痛を引き起こす過程が違いますので、当然、治療や予防方法も違ってきます
まずは腰痛を起こす原因を知り、それから治療方法や予防方法を順番に見ていくと、理解しやすいでしょう



腰痛を引き起こす5つの原因

①筋肉が原因の腰痛
一番多い腰痛です
中腰姿勢や長時間同じ姿勢を続けることで、筋肉が疲労したり酸欠状態となり、腰痛が引き起こされます
症状は、中腰姿勢での痛みや、(疲労の溜まる)夕方などの痛みがみられます


②悪い姿勢が原因の腰痛
長い年月に渡って、悪い姿勢を続けていると、腰の骨が誤った方向へ曲がって腰痛が引き起こされます
悪い姿勢というのは、例えばイスに座るときに常に右足だけを組んでいるとか、立っている時に右足だけに体重をかけている、横向きで上体を持ち上げてテレビを見ているなどもそうです
体の左右が非対称になる姿勢は、一般的に悪い姿勢と言われます
悪い姿勢を長い年月に渡ってつづけられていると、体の骨の歪みが生じて、腰痛が引き起こされます
症状は、慢性的な腰痛の他、姿勢の歪みによって腰の周りのお尻や背中の方まで広がる痛みがみられます


③腰骨の関節が原因の腰痛
腰には5つの骨があって、だるま落としのように上に重なっています
上下で隣り合う骨同士は、肘や肩と同じように関節があります
この関節がずれると、腰に激しい痛みを感じます
ぎっくり腰の多くが、関節面のずれなどの異常が原因だと考えられています
症状は、急な腰痛や、激しい腰痛がみられます


④椎間板が原因の腰痛
腰の骨は、だるま落としのように上に重なっていますが、普段これらの骨には、上半身からの重みが常に加わり続けるため、クッションの役割を持った組織が備え付けられています
この組織は椎間板とよばれています
椎間板そのものが悪さをすることはないのですが、椎間板が裂けて、中に含まれている硫酸に似た液体物質が外へ出してしまうと、近くにある神経が傷付いて痛みとして感じられます
このような状態を、椎間板ヘルニアといいます
症状は、腰の痛みの他に、足にかけての痛みやしびれがみられます


⑤骨が原因の腰痛
体の背中側には、体を支えるための背骨があります腰には5つの骨があり、支えの役割を担っています
長年体の重みを支え続けた骨は、次第に変形をしたり、潰れたりします
変形した骨の一部が、神経に当たったりすると腰の痛みなどが現れます
50代になると、このような腰痛はどなたにでも生じる可能性があります
症状は、腰痛の他に、腰の骨の出っ張り、足のしびれなどがみられます



以上の5つが、腰痛を引き起こす大きな原因です
では、それぞれの腰痛に対して、どのように予防すればよいのか、順番に説明していきます




5つの腰痛原因に対する予防法


腰痛の原因 治療・予防方法

①筋肉が原因の腰痛
筋肉が原因の腰痛は、腰に負担のかかる姿勢や動きをすることで、筋肉が疲労したり、血液の流れが悪くなるなどして痛みが出ます
ですから、腰に負担のかかる姿勢、動きをしないことが第一です

また、仕事などで疲労が溜まった時は、疲労を取り除いたり、血液の流れを良くすることが大切になります
例えば、お風呂に入って全身を温めてもいいですし、ストレッチやマッサージを受けてもいいでしょう
疲れが取れて体がすっきりするものでしたら、どのようなものでも効果は得られます

筋肉の疲労で痛みが出る人は、腰やお腹周りの筋肉の低下が多くみられます
筋肉が弱いため、すぐに疲労を起こして痛みが出るのです


腰やお腹周りの筋力をつけることで、疲労のしにくい腰を作ることが大切です



②悪い姿勢が原因の腰痛
悪い姿勢が原因で腰痛になった場合は、まず本人が良い姿勢を心掛けることが重要です
イスに座っている時、本を読んでいる時、テレビを見ている時、どんなときでも、体を崩すのは止めましょう
2~3ヶ月意識して良い姿勢を続けていれば、自然と良い姿勢をとれるようになります

長年の癖で、いくら頑張っても良い姿勢が取れないという人は、ゆがんだ骨を戻す運動をしてください



腰の歪みをとる運動
四つ這いになって骨盤を左右に振る
四つ這いになって腰を上下に振る
これらの運動を、毎日繰り返し続けることで体のゆがみが少しずつ改善されます


2つの運動ともに、体を左右対象に動かす運動です、そのような運動でしたら、他の運動でも問題はありません
例えば、立って腰を回す運動でもいいですし、上半身を回す運動でもいいです
左右の腰が同じ動きをする運動をすることで、一方にゆがんでしまった骨を正しい位置に戻しましょう





③腰骨の関節が原因の腰痛
ぎっくり腰の多くが、腰骨の関節面がずれることで起こります
ぎっくり腰になったときには、すぐに腰部コルセットを巻いて腰を固定します
コルセットが無ければ、さらしやバスタオルで応急的に固定しても構いません
腰を固定して4~5日間安静にしていれば、ずれた関節が自然と戻ってきて、それに伴い痛みも軽減します

4~5日も待っていられない場合は、病院で痛み止めの薬をもらいましょう

関節が再びずれないようにするには、腰の筋肉を付けることが大切です
関節をつなぎ止める筋肉が固くなれば、関節がずれにくくなります

筋肉を鍛える方法
四つ這いになって、右手と左足を床と水平になるように上げます
左手を上げるときは右足を上げます
左右10秒×10回
この運動を毎日続けると、腰の筋肉を鍛えることができます



④椎間板が原因の腰痛
椎間板が悪さをすると、腰痛だけでなく、お尻や脚への痛みやシビレを出すことがあります
こうなると、普通の腰痛より悪い状態です
放置しておくとシビレや痛みが取れなくなるので、病院で診てもらうことが大切です
シビレの治療をしながら、自宅でも出来る治療や予防を行いましょう

自宅でできる治療は、シビレや痛みの出ている部分の温めです
シビレは神経が弱っている合図です
温めることで、神経への血流量を増やして、神経を回復させます
食事はビタミンB12を多く含んだ食材を取ることを心掛けましょう
ビタミンB12は、神経の炎症を抑える働きを持っているので、なるべく多くとりましょう


筋力強化は治療・予防に効果があります
主に、腹背筋の強化はお勧めします
腹背筋を鍛えると、椎間板にかかる負担が軽減するからです
椎間板は20代から老化が始まり、損傷しやすくなります
20歳を過ぎた方は、予防をしていきましょう







⑤骨が原因の腰痛
腰骨の変形や骨折は50代頃から、どのような人にも起こります
一度変形した骨はもとには戻りませんので、治療は”これ以上悪化させないようにする”ことが目的となります
予防も”骨が悪くならないようにする”ことを目的としますので、治療も予防もすることは同じです

治療&予防方法
骨を丈夫にするためには、食事の中でカルシウムを摂取することが大切です
ただカルシウムだけでは不十分で、ビタミンDも一緒に摂取することが大切です
ビタミンDはカルシウムを効率よく骨へ運ぶ働きがあります
太陽の光を浴びると、ビタミンDが皮膚の中で合成されるため、1日に20~30分くらい外へ出ましょう

腹背筋の強化も大切です腰背筋が強くなると、腰骨にかかる負担が軽減します





腰痛は人間の宿命でもあります
腰痛の原因を知って、それにあった予防法、治療法を実践して
上手に腰痛と付き合っていくことが大切といえるでしょう














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