2020年3月30日月曜日

下後鋸筋



起始停止
起始
停止
11,12胸椎および第1,2腰椎棘突起
9~第12肋骨


構造




作用
肋骨を内下方へと引く
呼気時の補助
※中には、下後鋸筋は呼吸には関与せず、両側の収縮で脊椎伸展、片方の収縮で脊柱の同側回旋に作用するとの報告もある




働きが最大になる肢位




臨床意義
腰痛
腰背部に痛みを伴う伸展型腰痛に同筋が関与していることがある

咳や最大呼気による腰背部痛の増強は、同筋の関与を疑う

下後鋸筋の過緊張で胸郭横径拡張が制限される。制限された状態で体幹伸展で強制的に胸郭を拡張されると、下後鋸筋も強制的に伸張され痛みを伴う

下後鋸筋の筋起始腱膜は広背筋と共に胸腰筋膜と癒合する。癒合部分は伸張性に乏しく腰痛が発生しやすい


圧痛

上位腰椎の外側3cm部位に限局性圧痛のみられることが多い(ただ実際に、この部位は複数の筋や筋膜が重なっているため原因筋の特定は困難)

圧痛部に硬結が必ずあるというわけではない

痛みへのアプローチ

コルセットでの胸郭運動の制限や、テーピング処置による筋線維の負担軽減で痛みは軽減する

痛みは肋骨下部に現れて執拗に続くが、脊柱の回旋や伸展運動をすることで疼痛が軽減したという報告もある

筋線維方向に他動伸張を行い、筋の柔軟を得ることで痛みが軽減することもある

圧痛部に対して腰椎から外上方にマッサージを行うことで圧痛が消失するケースがある












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