2020年3月23日月曜日

腸肋筋





起始停止
起始
停止
腸骨稜、仙骨、下位腰椎の棘突起、胸腰筋膜
第7~第12肋骨の肋骨角下縁


構造
腸肋筋、最長筋、棘筋をまとめて脊柱起立筋と呼ぶ。腸肋筋は脊柱起立筋の中で最外層に位置する
背骨の両脇に盛り上がった筋肉が脊柱起立筋で、その外側を触れた状態で前屈・後屈をすると、筋の収縮が触知できる




作用
両側の収縮で、腰椎伸展
片側の収縮で、腰椎を同側へ屈曲




働きが最大になる肢位




臨床意義
触診
背骨の両脇に盛り上がった筋肉が脊柱起立筋で、その外側を触れた状態で前屈・後屈をすると、筋の収縮が触知できる

上殿皮神経絞扼
13腰神経後枝の各外側枝は、腰骨から外下方へ走り腸肋筋を貫いて大転子に達する。これが上殿皮神経。腸肋筋が緊張すると神経が絞扼されて腸骨稜から大転子に痛みが生じる
神経が腸肋筋を貫く場所はL3-5棘突起の3横指外側部

腰痛
4,5腰神経後枝の各外側枝は、(腰内側・外側)横突間筋と棘筋に分布し神経は終了するため、通常知覚には関与しない

非腰痛例では腰部屈曲6080°で脊柱起立筋が弛緩するが(屈曲弛緩現象)、腰痛例では100°以上で弛緩が現れるかあるいは現れず、持続的な筋活動が見られる。これが腰痛の原因となる

腰痛例では、体幹を屈曲位から伸展をする際に筋活動が高まる傾向がある。屈曲位から体幹を戻す際に痛みを訴えるのはこのことによる。日常動作では中腰で床から物を持ち上げる動作や、椅子から立ち上がる動作がそれにあたる

下位腰椎部での脊柱起立筋や多裂筋の筋緊張が増加すると、下図のごとく下位腰椎で過伸展が生じ腰痛を生じさせる。

脊柱起立筋
脊柱起立筋は腸肋筋、最長筋、棘筋を総称して呼ぶ

腰痛では上位腰椎レベルの脊柱起立筋で圧痛が多い

圧痛部位を中心に脊柱起立筋線維を頭側、尾側方向からつまむと、圧痛が消失することがある

側弯の凸部の頂点に位置する脊柱起立筋は、常時伸張されているためか圧痛や運動時痛を有することが多い

上位腰椎レベルの脊柱起立筋を外側から脊椎方向へあっすると、大腿外側面に放散痛の現れることがある

椅子からの立ち上がりや歩行開始動作で生じる腰痛は、下位腰椎レベルの脊柱起立筋に多い

長時間の歩行や立位の持続で生じる腰痛は、上位腰椎レベルの脊柱起立筋に多い

腰が重だるいと表現する患者で圧痛の認められる部位として多いのは、上位腰椎レベルの脊柱起立筋である

健常者では体幹前屈時に脊柱起立筋の筋活動が出現するが、前屈を進めると筋活動が消失する(屈曲弛緩現象)











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