2020年3月21日土曜日

胸腰筋膜




起始停止
起始
停止




構造
表層 : すべての腰部筋を覆うように外側を超えて付着
中層 : 内腹斜筋と腹横筋の起始部で縫線を形成
深層 : 脊柱起立筋の前表層に進み、最終的に腰椎横突起、横突靭帯に付着





作用
腰背筋が収縮すると胸腰筋膜の緊張が増強し、屈曲・伸展の両方で脊椎の支持力を増大させる

脊柱起立筋が付着することで、筋膜は側方へ伸張されて強力な脊柱伸展力を得る。脊柱起立筋は35Kg以上の物を持ち上げる力を有していないが、それより重い物を持ち上げられるのは筋膜内の区画内圧が高まることも要因と考えられる

胸腰筋膜の緊張が高まると、広背筋、腹横筋、内腹斜筋は固定が得られて活動しやすくなる




働きが最大になる肢位




臨床意義
腰痛
膜内に閉じ込められた筋肉の侵害受容器により血管拡張が起こると、筋内圧が上昇して痛みにつながる。冷刺激により疼痛が軽減する腰背部痛は、血管収縮による筋線維内圧の減少によるものである

癒着
皮膚滑走の低下は胸腰筋膜の癒着を示唆するといわれる
皮膚滑走低下部位は、手掌で皮膚に直圧を加えながら上下・左右に揺すっていくと改善するが、症例によっては数週間の時間を有する

皮膚滑走の低下している部位に自発痛・圧痛などが必ずみられるという訳ではない

胸腰筋膜が下後鋸筋や広背筋などと癒着すると、癒合部分の伸張力が減弱し腰痛が発生しやすくなる

腰椎中位レベルの側方3cmの部位で皮膚滑走が低下していることが多い

痛みへのアプローチ
腰背部に存在する圧痛部で腰筋膜を切開すると、筋膜の緊張が緩和されて痛みが消失する
















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