中度から高度の膝OAでは、大腿骨に対して脛骨が過剰な内旋もしくは外旋を呈し、亜脱臼を生じていることがある
そのような場合、脛骨粗面を第1-2指で左右から把持した状態で他動的に脛骨を回旋させてやると、脛骨粗面が、内旋もしくは外旋の一方向にしか動かないのを指に触れる事が出来る
脛骨が外旋亜脱臼を起こしている場合は、内旋方向にしか動きが見られない
脛骨の異常回旋は端座位からも観察できる
椅子に腰掛けた状態で、両膝、両踵骨をあわせて、両足部の踵骨-第2中足骨の軸を見れば、健側に比べて患側の軸が内方か外方に向かっている
両側を罹患しており健側と比較できない場合は、踵骨-第2中足骨の軸の成す角度が正常は45°である事を念頭に入れておけば、異常回旋を発見できる
回旋亜脱臼を生じている症例では、脛骨に末梢牽引を加え、関節面を離開した状態で脛骨の内外旋操作を行い、徐々に正常位に持ってゆく
このとき脛骨の回旋筋郡による牽引作用は強靭のため、かなり強力な整復操作が必要となる
正常位に整復できたとしても、患者が立位で体重をかければ、すぐに再脱臼を生じてしまう
整復位保持ははなはだ困難であるが、粘り強く繰り返す
外旋亜脱臼を呈している場合は内旋筋郡を、内旋亜脱臼を呈している場合は外旋筋郡を強化しながら治療を続けてゆけば、急激な進行の抑制になる

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