起始停止
起始
|
停止
|
仙骨後面、全腰椎乳様突起、胸椎横突起
|
隣接する2~4椎骨上の棘突起
|
構造
回旋筋の上に付着する深層筋
|
作用
両側の収縮で、脊柱を伸展
片側の収縮で、脊柱を同側へ屈曲、反対側へ回旋
|
働きが最大になる肢位
|
臨床意義
触診
|
棘突起の脇をなぞって行くと触知できるが、脂肪組織の多い人では筋肉の単独触知は困難
皮下脂肪の薄い人であれば、立位・座位などの姿勢変化による筋活動が触知できる
|
腰痛
|
腰仙部で片側の多裂筋が過緊張を起こすと、L5-S1部で腰椎が側屈し痛みを起こす
腰椎後弯運動は多裂筋を含めた、腰部伸筋群のリラクゼーションにつながり、腰痛の軽減につながる
|
腰痛(動作痛)
|
前屈や背屈動作で生じる腰痛は、下位腰椎レベルの多裂筋に多い
|
腰痛(筋委縮)
|
腰部に障害をもつ患者の中には、腰椎分節に急速な萎縮像が見られることがある
脂肪変性による筋量減少は脊柱起立筋に比べて多く、筋横断面積に左右差を生じると腰痛を起こす
腰痛症例では、腰椎下部の多裂筋において、筋膨隆の左右差を生じていることがある
ドローイン時に片側の収縮不全がみられることがある
脊柱起立筋が複数神経支配を受けるのに対して、多裂筋は分節性支配のため神経障害による萎縮や筋活動低下が多い
|
腰痛(日常生活動作)
|
長時間座位で、仙骨付着部に痛みの出ることがある
台所や掃除機掛けなどで生じる腰痛では、腰椎下部の多裂筋に痛みを訴えることがある
筋肉が短縮すると本来の力が弱くなる。腰椎過前弯位が長期間続くと多裂筋の筋活動は低下し、腰椎不安定性の腰痛を誘発する
|
硬結・圧痛
|
腰椎上位から下位にかけて、棘突起の側面にボールペン芯程の細長い硬結が生じることがある
L5/S1左椎間孔から第一仙骨孔までの直線に沿って圧痛を有することがある
多裂筋の一部は関節包に付着し、多裂筋によって引き起こされる運動の際に関節包が関節内に引き込まれるのを防いでいると考えられる
椎間関節に生じた侵害刺激は、多裂筋の反射性攣縮を引き起こす要因であり、多裂筋の圧痛所見は椎間関節性腰痛症の評価として重要
第3腰椎肋骨突起の1~2横指外側で多裂筋の筋硬結を触れることが多い。筋硬結部は圧痛閾値が高いが揉捻刺激を加えると閾値は低下する。硬結が不明瞭で軟らかければ複数回の揉捻治療で消失することがあるが、境界明瞭で硬質なものは消失しがたい
|
分離すべり
|
分離すべりを持っている人に、分離部の多裂筋の収縮不全がみられる
|
脊椎への作用
|
屈曲および回旋外力に対して脊柱を安定させる働きを持つ
|
|
|
|
|
※記事の加筆、記事の誤りなどございましたら、右のメールフォームからご連絡いただけると幸いです


↑クリックすると、ランキング投票になります
よろしくお願いします!